【笑いのエビデンス】「笑いと治癒力」⑤/6(ノーマン･カズンズ)

「笑いと治癒力」(ノーマン・カズンズ)

⑤「ホリスティック・ヘルスと治癒」

ホリスティックという言葉についての詳細は下記NPO法人日本ホリスティック医学協会のホームページをご覧下さい。一言で言えば「体・心・気・霊性」等、人間に関する全てのことを考慮した総合的な医療ということになると思います。NPO法人 日本ホリスティック医学協会 (holistic-medicine.or.jp)

カズンズは半世紀以上前からホリスティック・ヘルスの効用だけでなく課題にも気づいていました。それは当時この運動を推進する中で医師を敵視するような風潮も存在したことです。カズンズはそれには同調しませんでした。「大衆や患者」と「医師」が協力関係にあることが必要であると考えていました。「医師という職業を敵視することは決してこの運動の利益にはならないだろう・・・。ホリズムという名前は癒やすことを意味するー肉体だけでなく、人間関係をも。この運動が果たしうる最も有用なものの1つは、公衆と医師とを結びつけ、両社が相互に敬意を払いながら協力するように仕向けることだ。」と述べています。

そして、未来について次のように語っています。「おそらく将来は、健康問題との心身総合論的な（ホリスティックな）取り組み方のうえに、素人の関心が賢明に活かされ、医学界の方でもその素人の参加に敬意を払うという好ましい事態になっていくのではあるまいか。」

今日、「笑い」の研究を行い、中には自ら病院で「落語」や「ラフターヨガ」で患者を癒やす医師がいるということは、カズンズの予言が当たり、好ましい方向に向かっているということかもしれません。私にも個人的に存じ上げ、「笑い」に注目している尊敬する素晴らしい医師がいます。そのような医師とも連携し「笑い」を活用した活動を行い、心身共に健康である人が増えることに少しでも役に立ちたいと思いました。